
新型出生前診断(NIPT)
NIPT(新型出生前診断)とは
NIPT(Non-invasive Prenatal genetic Testing)は、母体の血液に含まれる胎児由来のセルフリーDNA(cfDNA)を分析し、胎児の遺伝疾患リスクを調べるスクリーニング検査です。
妊娠10週以降、わずか20mLの採血のみで、流産リスクなく検査が可能です。
検査項目
次の遺伝疾患リスクを調べることができます。
| 疾患名 | 型分類 | 概要 |
|---|---|---|
| ダウン症候群 | 21トリソミー | 最も一般的な染色体異常。知的障害・心臓病などが特徴 |
| エドワーズ症候群 | 18トリソミー | 18番染色体の異常。重篤な発達遅延が伴う場合が多い |
| パトウ症候群 | 13トリソミー | 13番染色体の異常。重篤な障害が見られることが多い |
| ターナー症候群 | XO(性染色体異常) | 女性のみ。身長低伸・生殖機能異常が特徴 |
| クラインフェルター症候群 | XXY(性染色体異常) | 男性のみ。不妊・ホルモン異常が見られることがある |
| トリプルX症候群 | XXX(性染色体異常) | 女性のみ。多くの場合、臨床的に無症状 |
| XYY症候群 | XYY(性染色体異常) | 男性のみ。多くの場合、臨床的に無症状 |
| 全染色体異数性 | 1~22番染色体 | 1~22番染色体における異数性の有無を調べます |
検査の精度
NIPTの精度は、検査項目と母体年齢によって異なります。大規模臨床研究では、21トリソミーに対して感度・特異度ともに99%以上が報告されています。
ただし、以下の要因により結果にずれが生じることがあります:
- 胎盤モザイク — 胎盤の一部に異常があるが、胎児には異常がない場合
- 偽陽性 — 実際には異常がないのに高リスク判定が出る場合
- 胎児DNA割合(fetal fraction) — 妊娠週数によって変動し、10週未満では測定困難
検査対象となる方
以下の条件をすべて満たす方が検査対象となります:
- ① 採血予定日における妊娠期間が10週以降
- ② 単胎児妊娠(双子以上は対象外)
- ③ 母体が、検査対象疾患または悪性腫瘍を有していない
検査を受けるまでの流れ
ステップ1:ご予約・ご相談
電話またはメールでお気軽にお問い合わせください。検査内容についてご説明いたします。
ステップ2:検査前遺伝カウンセリング
医師による説明に加え、当法人が提携する専門カウンセリング機関の認定遺伝カウンセラーがカウンセリングを担当します。検査の意味、検査結果の解釈、検査の限界と偽陽性のリスク、陽性時の対応などについて、十分な説明と情報提供を行います。
カウンセリング費用は先診会が全額負担します。
ステップ3:採血
当クリニックまたは提携医療機関にて、20mLの採血を行います。採血は通常の血液検査と同様で、特別な準備は不要です。
ステップ4:検査実施
採取した血液は、ISO9001認証のseeDNA遺伝医療研究所にて、次世代シークエンサー(NGS)を用いて高精度に解析されます。
ステップ5:結果説明
医師により対面で結果をご説明いたします。陽性(高リスク)の場合は、確定診断を受診する医療機関の紹介、カウンセリング支援も行います。
検査期間・費用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 検査費用 | 税込 99,800円(seeDNAの検査費用) |
| 遺伝カウンセリング料 | 先診会が全額負担(患者さまのご負担なし) |
| 採血費用 | 医療機関による(別途負担) |
| 結果判定期間 | 採血後、最短3~5営業日 |
※ 支払方法(クレジットカード・銀行振込等)、分割払いの可否については、お問い合わせ時にご案内いたします。
検査の限界とリスク
⚠️ スクリーニング検査の限界
NIPTはスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。以下の点にご注意ください:
低リスク判定について
「低リスク」と判定された場合でも、検査対象外の遺伝疾患や構造的奇形(心臓病など)がある可能性は完全には除外できません。
高リスク判定について
「高リスク」と判定された場合、実際に疾患がある可能性は高まりますが、確実ではありません。正確な診断には、以下のいずれかの確定診断が必要です:
- 羊水検査 — 羊膜から採取した液体のDNA分析(流産リスク約0.3%)
- 絨毛膜絨毛サンプリング(CVS) — より早期(11~12週)に可能
判定保留について
採血量不足、低い胎児DNA割合など、技術的理由により「判定保留」となる場合があります。その場合、再採血により無料で再検査を行うことができます。
遺伝カウンセリングの重要性
NIPTの検査結果に関わらず、遺伝カウンセリングの受診を強く推奨します。特に以下のような場合にはカウンセリングが重要です:
- 陽性(高リスク)の場合 — 確定診断の要否、今後の過ごし方について、医学的かつ心理社会的支援が必要
- 検査前 — 検査の意味、検査項目、限界について十分に理解した上での意思決定が重要
- 陰性(低リスク)の場合でも — 結果の正確な解釈、検査項目外の疾患についての情報提供が有用
当法人では、遺伝カウンセリングを提携する専門カウンセリング機関へ委託して実施しており、その費用は先診会が全額負担します。費用を理由にカウンセリングを受けられないことのないよう配慮しています。
公的サポート・相談窓口
出生前検査に関する相談は、以下の公的機関でも受け付けています:
- こども家庭庁「全国の性と健康の相談センター」 — 出生前検査に関する公的相談窓口
- 厚生労働省「母体血を用いた出生前遺伝学的検査に関する指針」 — 政府指針の確認
- 日本産科婦人科学会 — 出生前検査に関する学会情報
よくあるご質問
Q. NIPTは痛みますか?
A. 採血は通常の血液検査と同じで、一般的には軽い痛みで終わります。流産のリスクもありません。
Q. 妊娠何週から受けられますか?
A. 妊娠10週以降が対象です。正確な妊娠週数は超音波検査で確認してください。
Q. 結果はいつわかりますか?
A. 採血後、最短3~5営業日で結果がお手元に届きます。
Q. 年齢制限はありますか?
A. いいえ、年齢制限はありません。35歳未満の妊婦さんも検査を受けることができます。
Q. 双子でも受けられますか?
A. いいえ、単胎児妊娠のみが対象です。
Q. 検査結果が陽性だった場合、どうすればいいですか?
A. 医師と遺伝カウンセラーが、確定診断の必要性、医療機関の紹介、今後の過ごし方についてサポートいたします。
お申し込み・お問い合わせ
本ページに掲載される検査内容・費用は、医療法第6条の5に基づく「限定解除」に該当する情報提供です。患者さんが正確に検査の意義、精度、限界、リスクを理解した上でのご判断をサポートすることを目的としています。